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ハムスターの診療

 当医療センターではハムスターの診療を行っております。ハムスターは大きな頬袋を持つのが特徴で、餌や床材の貯蔵や運搬の役目があります。頬袋に関連したハムスターに特徴的な疾病や、不正咬合を発症します。高齢の個体には腫瘍の発生が多くみられます。

代表的なハムスターの病気

○不正咬合

 ハムスターはウサギやモルモットと異なり、切歯(前歯)のみが生涯伸び続けます。ケージの噛み癖や外傷による破折、先天的な要因等が原因となり、切歯の過長を起こします。伸びすぎた切歯は適切な長さに切る処置を行います。

○頬袋脱

 ハムスターは頬袋が反転し、口腔外への逸脱が起きることがあります。感染や外傷、腫瘍等が原因となることがありますが、原因不明に起きることも多くあります。ほとんどの場合は外科的な整復が必要になります。

○骨折・脱臼

 ハムスターはケージに肢を引っかけたり、落下による事故等で容易に骨折や脱臼を起こすことがあります。外科的な整復手術や、固定や痛み・感染予防等の保存的治療を行います。感染や壊死が起きている場合には断脚が必要になることもあります。

○腫瘍疾患

 高齢のハムスターでは腫瘍が好発し、特に皮膚や皮下の腫瘍が多くみられます。発生部位や大きさ、動態によって治療は異なりますが、外科的な摘出や内科的な支持療法を行います。

ハムスターの症例紹介

頬袋脱(頬袋の外反)

ハムスターは頬袋が反転し、口腔外への逸脱が起きることがあります。感染や外傷、腫瘍等が原因となることがありますが、原因不明に起きることも多くあります。ほとんどの場合は外科的な整復を行い、再脱出を防ぐための手術が必要になります。

口腔外に脱出した頬袋

 

頬袋を正常な位置にもどし、
再脱出を防ぐため頬袋の縫合手術を行ないます。

 
整復手術後

体表にできた腫瘍の摘出を行ったハムスター

体表に大きな腫瘍ができています。
 

レントゲン写真です。
白く大きく丸く映っているのが腫瘍です。


摘出後のレントゲン写真①


摘出された腫瘍


摘出後のレントゲン写真②

導線を噛んで感電してしまったハムスター

 

口角が感電で、炎症を起こしています。

噛んで食べてしまった導線が腹腔内に散在しているレントゲン写真

ニキビダニ症(皮膚病)のハムスター

耳がニキビダニによって黒く変色してしまっています。