ハリネズミの診療
当医療センターではハリネズミの診察を行っております。
ハリネズミは様々な地域で生息していますが、日本で飼育されているのは
アフリカ原産のヨツユビハリネズミです。野生下では昆虫などの動物性たんぱく質を主食としています。
日本の気候と本来の生活環境が大きく異なるために、皮膚や呼吸器系等の病気が起こりやすい動物です。
近年は、愛玩動物として飼育され、寿命が延びたためか、高齢のハリネズミでは腫瘍が多く報告されるようになりました。
※対応できかねる症状もございますので、ハリネズミを受診希望の方は一度ご連絡ください。
代表的なハリネズミの病気
○皮膚の病気
① 真菌症(カビ)
もともと乾燥した地域での動物であるためか、高温多湿の日本では皮膚に真菌(カビ)が生えてしまい、皮膚のかさつき・脱毛・痒みを生じる場合があります。
抗真菌薬の塗布・内服で治療していきます。飼育環境や、幼若動物の栄養不良が原因の1つと考えられています。
かさつきが出ており、真菌に感染している疑いのある皮膚
② ダニ
疥癬と呼ばれる、皮膚に寄生するダニによって激しい痒みが出ることがあります。
適切な駆虫薬を使うことで治療しますが、完全に駆除できるまでは2か月ほどかかる場合があります。
○不正咬合
歯の咬み合わせに異常が出て、痛み・違和感のために食欲不振になることがあります。
遺伝的な問題、フードの問題が指摘されています。
内科治療で改善しない場合、歯の長さをトリミングする必要が出てくることがありますが、麻酔をかけないと難しい場合がほとんどです。
○くしゃみ・咳などの呼吸器症状
風邪をひいてくしゃみがでたり、誤嚥・生活環境の悪化から肺炎にあることがあります。
内服薬・注射で治療をしていきます。
○目の病気
ぶつけてしまったり、口腔内の問題などにより、眼球が飛び出てしまうことがあります。
点眼や内服薬でまず治療しますが、麻酔下で眼球摘出などを考えることもあります。
落下事故で眼球突出したハリネズミ